2013年4月30日。
タロウズの代表である柴垣は、
香港貿易発展局が主催する「香港ギフト&プレミアムショー」を訪れていました。
出展者は、香港や中国、韓国、台湾、インド、インドネシア、さらに遠くヨーロッパなどの企業。
出展ブースの数だけでも4136。一方、来場者も日本、韓国といったアジアだけでなく、
ヨーロッパ、中近東、アメリカなどから訪れ、その数は5万1358人にも上りました。
まさに世界的規模のイベント。
その会場で人気を博していたのは、スマホやタブレットPC関連商品を展示するブース。
いわゆる流行のIT商材でした。
しかし柴垣が立ち止まったのは、立ち寄る来場者が誰もいないブース。
そのブースには、薄型のモニターがパンフレットの中にセットされた状態で見本が展示されていました。
スマホやタブレットPCに比べれば、いかにもアナログ的。見た目、地味。
でも柴垣にとっては、映像+本(紙)という組み合わせが、ことさら斬新だったのです。
柴垣は来場者が素通りしてしまうそのブースに居座りました。
見本を手にして、映像を見たり音を聞いたり、パンフレットを閉じたり開いたり。
その時、柴垣の頭の中に浮かんだのは「この商品は、必ず世界に広めることができる」という確信でした。
“映像を見るためには、スマホやタブレットPCなどが必要になるが、
それらの機器は高すぎてプレゼントできない。
でも、モニターを紙ではさむようにセットすればコストは格段に下がり、
たくさんの人に「映像を見る冊子」をプレゼントすることができる。
しかも紙の手触りを感じながら、映像を見る。今までなかった商品だ”。
そして、居座って3時間が経った頃、柴垣はブースの担当者に、工場見学を申し入れました。

イベントから10日後、柴垣は中国広東省シンセン市にある工場へ。
到着して開口一番、柴垣は「説明はいいから、ずっと独りで見学させて欲しい」と頼みました。
工場の担当者は「好きなだけ見学してください」と柴垣を独り残し、
柴垣は工場で、まる一日中、生産ラインを眺めました。
メーカーの商品に対する思い入れを感じ、改善点を確認し、
そして、この商品はどんなシチュエーションで使うことができるのだろう?と思い巡らせました。
自動車ディーラーのセールスツール。リゾートマンションの疑似体験ツール。
高級パッケージツアーのプレゼンテーションツール。
可能性がいくつもヒラメキ、そして最後に
2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致活動!、と思いついた瞬間、
柴垣はこの商品を取り扱うことを決めました。

2013年5月10日。香港のイベントからわずか2週間足らず。
柴垣は中国のメーカーと代理店契約を結びました。
時を同じくして、ドイツの企業とオーストラリアの企業も中国のメーカーと代理店契約を結びます。
そして、中国のメーカーを中心に、日本(=タロウズ)、ドイツ、オーストラリアの各代理店が、
ゆるやかなグループをつくり、情報共有しながら、この商品を世界へ積極的に拡販させることが決まりました。

グループの初受注は、2013年5月。
オーストラリアの代理店が、マセラッティ社から、マセラッティのエンジン音である
「マセラッティサウンド」を広めるためのカタログとして受注しました。
それからわずか1年。
2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会が
ブエノスアイレスで開催された最終プレゼンテーションの場で採用したのをはじめ、
高級自動車メーカー、大手飲料メーカー、不動産デベロッパー、
銀行、証券会社、テレビ局、医薬品メーカーなど全世界で100社以上が採用し、
これまでに10万冊以上を生産しました。

Book de Movieは、こうして誕生し、世界中に広がっています。
しかしこれは、タロウズの事業活動の一部に過ぎません。
タロウズは、世界にアンテナを張り、新しい種を見つけ、
さまざまなプロフェッショナルと協力しながら、
次世代のノベルティやプレゼンテーションツールを企画・製作して
世の中に送り出す企業です。
どうしたら人々をビックリさせることができるのか?
どんなものなら人々に笑顔を届けることができるのか?
ひそかな野望を胸に、ワクワクするものをいつも発想しています。